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図1 背泳ぎのストロークパターン S字というよりもW字であるマクリスコ(1993)スイミングイーブンファースターより

の姿勢で楽にこのような動作を何回も繰り返すことによって背泳ぎに必要なダウン・アップのスウィープ動作を知るだけでなく、すべての泳ぎに共通するいろいろなプルパターンを練習することができる。
その他背泳ぎは着衣泳や休憩泳等応用範囲の広い泳ぎである。これを苦手としたらマスターズスイマーではないというくらいの気持ちで練習してほしい。

3. 背泳ぎのマスターズ記録(図2,3)

図2,3は年齢別、距離別の背泳ぎのマスターズ記録をプロットしたものである。男女ともにどの距離種目においても加齢とともに記録が落ちていくのがわかる。そしてある年齢以上に達するとその記録の落ちが急激になるのもすでに昨年と一昨年の報告書(注1,2)で指摘した通りである。
注1 マスターズ水泳とクロール泳
クロール泳に関する調査報告書
日本水泳連盟1995年
注2マスターズ水泳と平泳ぎ
平泳ぎに関する調査研究報告書
日本水泳連盟1996年
背泳ぎの加齢に伴う記録の落ち込みを、25歳から85歳までの60年間についてみると、女子では50m種目で約28秒(0.47秒/年平均以下同じ)、100m種目で約67秒(1.1秒/年)、200m種目で約138秒(2.3秒/年)の低下が見られたのに対して、男子では50m種目で約29秒(0.49秒/年)、100m

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図2 年齢別に見た世界記録の変化(女子背泳ぎ50m,100m.200m)1996年6月現在

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図3 年齢別に見た世界記録の変化(男子背泳ぎ50m,100m,200m)1996年6月現在

種目で約70秒(1.2秒/年)、200m種目で約158秒(2.6秒/年)の低下を示した。このようにわずかな差ではあるが、加齢に伴う記録の落ち込みが、男子に比べて女子において少ないのは背泳ぎの特徴といえる。また特殊なケースであるが、90歳代の50m女子背泳ぎのマスターズ記録は、同種目の自由形の記録を上回っている。さらに1996年の第6回世界マスターズ大会における背泳ぎの全種目だけが、女子が男子を上回るエントリー数が

 

 

 

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